―アクアリュ−ム基礎講座―
1.生物濾過について

1-14.【濾過材の適性】

 B−4を投上手に魚を飼育するポイントは、観賞魚飼育に適したバクテリアと、それにマッチした濾材を使用する事が重要なコツである事は理解していただいたと思います。濾材については、すでに3年以上実験を繰り返し行なっていますのである程度結論は出せると考えています。

1.「通水性能」
  これは、濾材の中まで水が流れて、通過するかどうかです。
  簡単にテストする方法は、乾燥した状態で手のひらに少量の水を乗せ、そこに濾材を置きます。3〜5秒で水が中に吸い込まれれば第一段階はクリア−リング状の濾材であれば後の穴を指でふさぎ、口から空気を吹き込み、吸い込まれた水が吹き出せば通水性能は優秀です。水がポタポタ滴れたり空気が吹き込めないのは通水性に欠けます。
 どうして通水性能が重視されるかについては、濾材表面だけにバクテリアを付着させるのではなく、内部にも付着させます。バクテリアコロニ−が形成されるのですが、表面の水量と内部の通過水量は当然異なります。
 外部は早く、内部はゆっくりと流れます。当然バクテリアの付着量も異なりますが、短時間で処理ができます。むしろ、最大のメリットは通水性能が高い濾材は少量で済むためにメンテナンスが非常に楽になる事です。

 この事は実験で簡単に立証できました。同程度の形状(リング状)の濾材、当然材質はことなるのですが、ドイツ製のガラス素材のものと、サイエンス・プロ、セラミック製で表面はデコボコで内側はツルツルの物表面も内側もツルツルのタイプを同一条件でテストしました。
アンモニア等の有害物質の反応が早く消えたのは、ドイツ製濾材とサイエンス・プロで差異はほとんど無し、次に表面デコボコタイプ、ツルツルのタイプの順番になりました。

※テスト方法
 同じ大きさの90p水槽に同一メ−カ−の同一タイプの外部濾過器にセットされているスポンジ形状の濾材を2枚外し、テストする濾材各1リットルと表記されているものを入れディスカの同一日に産卵、成長した個体、約10p程度を各10匹投入しセットした日にB−4を正確に各1g投入する。翌日も同数量のB−4投入。セットしたその日から1回に10クラムのハンバ−グを1日3回与え、アンモニア、亜硝酸濃度を測定しました。14日間4本の水槽を同時刻に採取し、同一の試薬を使用して残留濃度を測定しました。

2.「形状と材質」
 濾材はその濾材に付着したバクテリアにより魚にとって有害な物質を無害化する事は理解していただけたと思います。当然その循環システムにより適した濾材が必要です。底面濾過の場合は大磯砂を使用して濾過しますがエア−リフト式の為に循環スピ−ドが遅く、60p水槽までが無難です。ちなみに、ヘラのようなモノで毎日一度ジャリをさらうとバクテリアの付着面が替わり、付着量が殖えますから濾過能力は向上します。
 60p水槽までなら飼育匹数にもよりますがメインとして使用するのは、エア−リフト式濾過器(投げ込み式、底面、スポンジ式)であれば、別の種類の組合せで複数使用(例 スポンジ式+投げ込み式)する方法がお薦めです。投げ込み式の場合は、フィルタ−の交換の頻度が上がるとランニングコストが上昇するのが難点ですが、管理は容易です。スポンジ式も使用が簡単でランニングコストも低く使い易い濾過器です。最低2ヵ月に1度は、お湯で洗浄すると濾過能力が回復します。大磯砂を使用する底面濾過の場合は、換水する時にジャリも洗浄するホ−スを使うと便利です。ただ全換水はやめた方が無難です。
 この3点の濾過システムは、小型水槽には便利です。しかし、それ以上の大きな水槽では、補助システムと考えて下さい。
 大型水槽では、オバ−フロ−、外部濾過器、上部濾過器の3システムが現在のところ考えられています。この場合は、必ず濾材が必要です。
 形状としては、幾つかのデザインがありますが、リング状のタイプ、玉状コンペイトウのような形状、各デザインを実際にテストしました。
 リング状の濾材は、横から見ると樽のような形状で中に穴が空いています材質も各種ありますが、基本的にはセラミックが多いようです。この場合は、通水性能と強度が判定の一つの基準になります。
 通水性能が良くても強度が弱いと耐久性能が低くなり、定期的に量を補充する事が必要です。逆に強度があっても通水性能が低い場合は、その分、量を増やす必要があります。そうすると濾過器の容量一杯に入れると今度は、メンテナンスに時間がかかります。
 材質も重要です。赤土を焼いたような物から発泡コンクリ−ト、石灰質の土を素材に使用したもの、あるいはガラスを繊維状に加工しリング状にしたもの、特殊なセラミック素材のもの各種あります。

 結論から申し上げればサイエンス・プロが通水性と耐久性能では、一番で3年を経過しても崩れていません。酸とアルカリにも耐久性があるようです。特にガラス質だと酸とアルカリには全く問題ないのですが、素材が土系の場合は、弱酸性が続くと形状の損壊が進むようです。いづれの材質の濾材も最低3ヵ月1度程度はお湯で洗浄して下さい。
 くれぐれも水槽の水なんかで濾材の洗浄はしなで下さい。なぜなら、水槽の水には濾過バクテリアだけではなく雑菌も沢山いるのです。洗浄の意味がありません。濾材を洗浄したら入する事で良質な濾過細菌が圧倒的に増殖するのですから