―アクアリュ−ム基礎講座―
1.生物濾過について

1-1.【生物濾過って何?】

 毎日のように当社には一般のマニアの人たちからお電話をいただきます。
 その中で生物濾過に対する正確な知識を持っている人たちは、少数である事がよく判りました。それは、情報の錯綜、情報量が多すぎるのも原因である事に気付きました。
 今回販売店の皆様や一般のマニアの人たちにも良く理解していただきたく生物濾過の知識のおさらいです。

《水槽で魚を飼育すると言うこと》
 皆さんがご存じのように魚は、川、池、海に生存する生物です。その生き物を水槽の様に限られたスペ−スと一定量の水で飼育する訳ですから、本来の生息環境とはまったく異なります。川や池には、雨も降るし、湧き水もあります。風が吹けば波も立ちます。常に新鮮な新しい水が供給されているのです。
  しかし、熱帯魚の故郷のブラジル、アマゾン河では、日本と異なり雨期と乾期にわかれます。雨期はほとんど毎日スコ−ルがあり熱帯雨林に新鮮な水が降り注ぎます。逆に乾期はほとんど雨が降らない状況になります。新鮮な水の供給量が減って水温は上昇し、魚達は水の多い場所に移動します。魚の密度は高くなり水質も劣化してきます。しかし、河は流れていますから、その場所に水は少しづつでも供給されています。
  そしてある日、東の風と共に雷鳴が聞こえ、バケツの水をひっくり返したような雨が降り注ぎます。乾期が終わり雨期が始まったのです。この時期一斉に魚達は産卵を開始します。水量が増えて魚達は一斉に散らばっていき、急速に魚の密度は低下します。何故なら魚達の密度が高いと産卵した卵や孵化した稚魚は他の魚達の格好の餌となり、食べられてしまうからです。見事な自然の摂理です。
 この時の水質条件は、地域条件によりますが、ペ−ハ−が上昇して中性か弱アルカリ質に変化し、水温は低下します。これが産卵衝動の引き金になると考えられています。大量の新しい水が流入するのですから魚達にとっても有害なアンモニアや亜硝酸は極めて低濃度になるのです。そして密林に降り注いだ雨は密林に蓄積された有機物や微量元素も同時に河に送り込んでくるのです。